お金に関する知識は、学校ではなかなか教えてもらえないものです。でも、私たちの生活において「お金との向き合い方」はとても重要なテーマ。親が子どもに伝えるべきお金の知恵は、単なる節約や貯金だけではなく、人生全体を豊かにするための考え方にもつながっていきます。
今回ご紹介する「親子で学ぶ どうしたらお金持ちになれるの? 人生という『リアルなゲーム』の攻略法」は、まさにそうした視点でお金について学べる一冊です。親子で一緒に読める内容になっており、大人にとっても気づきの多い本でした。
本記事では、具体的な内容のネタバレは避けつつ、読んで感じたことや本から得た学びについてお伝えしていきます。これを読むことで、お金に対する考え方が少し変わるかもしれません。
お金持ちになる人の思考とは
本書を通じて特に印象的だったのは、「お金持ちになる人は合理的な思考ができる」という点です。ここでいう合理的な思考とは、単に節約を徹底したり、収入を増やすことだけを目標にするのではなく、「どのような考え方を持てば、お金が自然と増えていく環境を作れるか」という視点を持つことです。お金は単独で増えるものではなく、人の行動や選択によって増えるもの。そのため、日常的にどのような意思決定をするかが、お金持ちになれるかどうかを大きく左右します。
例えば、多くの人は「できるだけ楽をして大金を手に入れたい」と考えます。これは一見、誰にとっても魅力的な考え方に思えますが、実際に経済的に成功している人々の思考とは大きく異なります。彼らは短期間で一攫千金を狙うのではなく、「長期的に見てどうすれば資産を増やせるか」を常に意識しています。目先の利益ではなく、数年、数十年後の未来を見据えて行動することが、成功への鍵となるのです。
また、多くの人は「お金をたくさん稼ぐこと=お金持ちになること」と思いがちですが、これは必ずしも正しくありません。収入が増えても、それ以上に支出を増やしてしまえば、資産は増えません。一方で、お金持ちになる人は「どのようにお金を使うべきか」まで合理的に考えます。ただ節約するのではなく、投資や自己成長のためにお金を使い、将来的にさらに大きなリターンが得られる選択をするのです。
この本では、そんな合理的な思考法をわかりやすく解説しており、親子で一緒に考えるきっかけを与えてくれます。お金持ちになるためには、特別な才能や運が必要だと思われがちですが、実際はそうではありません。考え方を変え、お金に対する意識を持つことが、大きな鍵を握っているのです。
さらに興味深いのは、「お金持ちの思考は、日々の小さな選択の積み重ねによって形成される」という点です。例えば、給与が増えたときにすぐに生活水準を上げるのではなく、将来のために貯蓄や投資に回すかどうか。この小さな決断の繰り返しが、5年後、10年後の経済状況に大きな影響を及ぼします。お金持ちになる人は、短期的な快楽よりも長期的な豊かさを優先し、資産を増やすための行動を積み重ねています。
この本を読んで改めて感じたのは、お金持ちになるための絶対的なルールや公式はないものの、「正しい思考パターンを身につけること」が成功への近道だということです。そして、この思考は大人になってから学ぶよりも、子どものうちから身につけたほうが圧倒的に有利です。だからこそ、本書のように親子で一緒にお金のことを学ぶ機会は、とても価値のあるものだと強く感じました。
複利の力を知ることの大切さ
本書では、「お金はどのように増えていくのか」という点についても興味深く解説されています。その中でも特に印象に残ったのが「複利」の考え方です。複利という仕組みを理解し、活用できるかどうかは、お金を増やすうえで大きな分かれ道となります。なぜなら、複利はただ単に貯金や投資をするだけでなく、時間を味方につけて資産を増やす力を持っているからです。
複利とは、元本に対して利息がつき、その利息にもさらに利息がついていく仕組みのことです。単純な足し算ではなく、雪だるま式に増えていくため、時間が経つほどその影響は大きくなります。この「時間をかけてお金を増やす」考え方こそが、多くの資産家が実践している成功の秘訣なのです。
例えば、1万円を年利5%の複利で運用した場合、1年後には1万500円になり、2年後には1万1025円になります。一見すると小さな増え方に見えますが、これを10年、20年と続けると、元本よりも利息の部分がどんどん大きくなっていきます。短期間で大きな利益を求めるのではなく、長期間にわたって安定的に増やしていくことが、経済的な豊かさを築く鍵となるのです。
この考え方は、単にお金の運用だけでなく、学習やスキル習得にも応用できます。例えば、毎日10分の読書を続けることで、1年間で3650分、つまり約60時間の学習時間が積み上がります。同じように、筋トレや語学学習でも、毎日の積み重ねが時間とともに大きな成果を生むのです。
重要なのは、最初は小さな違いに見えても、続けることで大きな差になっていくという点です。たとえば、100円を毎日貯金するだけでは大したことがないように思えますが、それを複利で運用すると、10年後には何倍にも膨らむ可能性があります。この「少しの努力が将来大きな成果につながる」という実感を持つことが、複利の力を活かす第一歩なのです。
特に子どもにこの概念を伝えることは重要です。目先の利益だけを求めるのではなく、「長期的にコツコツと積み重ねることが大切」という考え方を、小さい頃から身につけることができれば、お金だけでなく人生全体においても大きな武器になります。
親子でこの考え方を共有し、「目先の結果にとらわれず、長期的に積み重ねることの大切さ」を一緒に考えられるのは、とても意義のあることだと思います。複利の力を知り、それを活用することができれば、経済的な安定だけでなく、人生そのものを豊かにすることができるのです。
仕事選びの新しい視点
本書では、「どんな仕事を選ぶべきか」というテーマにも触れられています。特に、「ロングテールの仕事」と「ベルカーブの仕事」という考え方は、とても印象的でした。この視点は、仕事選びにおいて単に収入だけを考えるのではなく、リスクとリターンのバランスを考慮することの大切さを教えてくれます。
ロングテールの仕事とは、ごく少数の人しか成功できないものの、一度成功すれば莫大な利益を得られる仕事を指します。例えば、スポーツ選手、YouTuber、芸術家、プロの音楽家、人気漫画家などが該当します。これらの仕事は、一握りのトップ層になれれば圧倒的な収入を得ることができますが、大多数の人は競争に勝ち残れず、収入が不安定になりがちです。つまり、成功すれば大きなリターンが得られますが、失敗するリスクも非常に高い仕事といえます。
一方、ベルカーブの仕事とは、専門的なスキルや資格を身につけることで、安定した収入を得られる仕事を指します。医者、弁護士、エンジニア、研究者、公務員などがその代表例です。これらの仕事は、一定の努力を積み重ねれば、多くの人が平均以上の収入を得られる可能性が高い職業です。しかし、ロングテールの仕事と違い、飛び抜けた大成功を収めることは難しいという特徴もあります。
この考え方を踏まえたとき、子どもが「将来YouTuberになりたい」と言ったときに、親としてどのように答えるべきかが重要になってきます。本書では、「可能性を否定せずに、現実的な視点も伝える」というバランスの取れた考え方が大切であることを教えてくれます。子どもの夢を頭ごなしに否定するのではなく、「成功するためにはどれほどの努力が必要か」「どのような戦略が求められるか」を一緒に考えることが、健全なキャリア選択につながります。
また、親自身も「仕事の種類とリスク」を正しく理解しておくことが重要です。現代では、インターネットの発達によってロングテールの仕事の選択肢が増えました。YouTuberやインフルエンサーといった職業は、数十年前には存在しなかった職業ですが、今では子どもたちの憧れの仕事の一つになっています。しかし、それと同時に、成功できるのはごく一部であり、競争が激しく不安定な側面もあるため、現実的な視点を持つことが必要になります。
とはいえ、ベルカーブの仕事が唯一の正解というわけでもありません。現代社会では、ロングテールとベルカーブの両方の要素を組み合わせたキャリア設計が求められることも多くなっています。例えば、医者やエンジニアでありながらYouTubeで情報発信をしたり、弁護士がSNSを活用して自身のサービスを展開したりするケースも増えています。そのため、一つの仕事に固執せず、複数の選択肢を持つことも大切な視点になってきます。
やりたいことを応援しつつ、その仕事の特性や成功確率、リスクについても理解すること。お金を稼ぐ手段として仕事を考えるだけでなく、「本当にやりたいことは何か」という自己探求も忘れずに行うこと。この両方の視点を持つことで、より長期的に満足できる仕事選びができるのではないでしょうか。
本書を読んで、仕事選びは単なる収入の多さや安定性だけで決めるものではなく、「その仕事にどれだけ情熱を持てるか」「どのような未来を描けるか」も重要だと改めて感じました。親子でこうした考え方を共有し、一緒に話し合うことで、子ども自身が納得のいくキャリア選択をするための土台を築くことができるでしょう。
まとめ
「親子で学ぶ どうしたらお金持ちになれるの? 人生という『リアルなゲーム』の攻略法」は、お金に関する知識を親子で楽しく学べる一冊でした。
この本を読んで特に心に残ったのは、お金持ちになるためには「合理的な思考を持つこと」が重要だということ。単なる節約や収入を増やすことではなく、お金をどう活用し、どんな環境を作るかが大切なのです。
また、複利の力を理解し、小さな積み重ねが大きな成果を生むことを学ぶことも重要です。これはお金の増やし方だけでなく、学習やスキル向上にも役立つ考え方です。
さらに、仕事選びにおいては、「ロングテールの仕事」と「ベルカーブの仕事」という視点が参考になりました。子どもが将来の夢を語るとき、その可能性を否定せず、現実的な視点も伝えることの大切さを改めて実感しました。
お金との向き合い方を学ぶことは、人生を豊かにするための第一歩です。親子で一緒に考え、学びながら、より良い未来を築いていくヒントを得られる一冊でした。
興味のある方はぜひ手に取ってみてください。きっと、親子での会話が広がり、お金に対する新しい考え方が得られるはずです。
